OMORIを遊びました

最高のゲームに出会ってしまった……………

 

1月末くらいからOMORI(オモリ)というゲームを遊んでいるのですが、このゲームがとにかく素晴らしく面白く最高だったのでその感想とかを書こうかなと思います。

 

OMORIは昨年末に日本語訳版が出たSteamで販売されているゲームです。

store.steampowered.com

 

ドットと可愛らしい手描きの絵で構成されたRPGツクールゲームで、ざっくりとした雰囲気はポケモンやUndertaleに似ています。(私は未プレイですが「MOTHERシリーズ」「ゆめにっき」っぽいという感想もよく目にします)戦闘バランスもちょうどよくゆったり遊べるゲームです。メインストーリーだけなら20時間くらいで終わりますが、やり込み要素が凄まじいので寄り道をしまくると40時間あってもクリアできないなんてこともあります。

 

発売自体は2020年末ですが、ゲームの構想自体は2013年くらい?からあったらしく、私は2014年のトレイラーが好きです。Youtubeで見れます。

 

www.youtube.com

 

かわいい。

私は最近このゲームの存在を知ったのですが、昔からずーっと発売を待っていたファンも数多くいるらしいですね。そりゃそう。私も昔にこの存在を知っていればおそらくそうなっていたことでしょう…

 

ちなみに私は好きなVや実況者がこのゲームで遊んでいるのを見て興味を持ち、調べるうちに(これは人の実況を見る前に自分でやった方がいいゲームだな…)と思って遊びました。ここ数年でVや実況を見るようになって、こういうゲームとの出会いも増えて嬉しいです。

 

OMORIは一見するとゆめかわRPGですが、Steamの商品ページには「精神的恐怖」のタグがあり、ゲームの冒頭では「鬱や自殺の表現があります」という注意書きも出てきます。

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公式の説明では「ひきこもりサイコホラーRPG」となっていますので、まあそういうゲームです。

しかしホラーゲームと言うにはホラー要素が少なく(ゲーム中のホラー要素はたぶん2割くらいしかない)、かと言ってホラー苦手な人に勧めるにはちょっと迷うくらいにはホラー要素が怖いゲームでした。

個人的にホラー演出は大好きなので、かわいい世界観とのギャップにやられましたし、ゲームをクリアすればこのホラー演出がプレイヤーを驚かせるためだけの無意味なものではないことを理解するはずです。

 

正直、これ以上このゲームに関して知ってしまう前に自分でプレイしてほしい。今年の春にはSwitch版も出るらしいのでぜひ買って遊んでみてください。

 

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UndertaleとかDDLCとか、この辺のゲームと同列レベルに自分で遊ぶ意義があると思っています。事前知識のないまま遊んで、情緒をぐちゃぐちゃに乱されよう!

 

というわけで以下ネタバレを含む感想を書きますので未プレイの方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、ネタバレ有りの感想

グッドエンド(トゥルー含む)、バッドエンド、別エンドの全てのエンディングを見ました。実績は2/3くらい。引きこもりルートの探索はだいたい終わってブラックキーは全部集め、究極装備品も回収しました。残すはボスラッシュくらいかな?(2/20現在)

 

【グラフィック・BGM】

キャラクターかわいい〜!グラフィック良い〜!音楽最高〜!100億点です。メインキャラもそうだし、各エリアのボスキャラ…メチャかわいくないですか!?ボスキャラで言えば私はスペース元カレ・元旦那のヴィジュアルが好きでした。

 

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……かわいいね。

 

あと双子。彼らは現実世界では熱心な宗教家(キリスト教徒?)の子供で、パン屋さんじゃないですか。パンってキリスト教的には大事な食べ物だったと思うんですけど、あんまり詳しくないんですが、その辺もいろいろあるんでしょう。

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この発言とか…いろいろ含みがあるのかな……?(宗教には詳しくないので全然違ってたらすみません)

ちなみにキャラクター的には現実世界のケルが好きすぎて、俺の側にもいてくれ……!になった。お小遣いいっぱいあげたい。

 

そしてBGM。すごく良い。サントラ買いました。全部の曲好きなんですけど、特にサニーとオモリの戦闘曲「OMORI」が…最高で……

 

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この曲聞くとマジで泣いちゃうんですが、大好きです。サニーがもう一度前を向くあのときの ああ〜〜〜(情緒がメチャクチャになる音)はい。

あとToby Fox氏の提供曲があるのもいいよね。

 

 

【ゲームシステムの感想】

まあとにかく戦闘が楽しい〜!!!でした。他の人の感想を見ると、戦闘がダルいとかそういう意見もあるんだけど、RPG好き的にはメチャクチャ良かったです。

特に感情システムがマジで天才だと思いました。これ開発の最後に付け足した要素ってマジ!?これがなくてももちろん面白いゲームだったとは思うけど、戦闘は味気なくなってしまったかもと思うほど、感情システムが良かったです。

多くのゲームだと有利不利になる属性はキャラクター・技・武器なんかにそれぞれ割り振られているけど、この感情システムは戦闘ごとに有利不利を変えられる、敵も変えてくるのがあまりないシステムで面白かった。そしてこの有利不利によるダメージ量が無視できないくらい大きいので、このシステムを利用して戦わないと相当非効率になる。

作中ずーっと無表情なオモリのいろいろな顔が観れるのも楽しいし、感情が大事ということを暗に示唆しているのかなとも思ったりして、本当にいいシステムを作りましたね!?天才!?

あと武器やスキルがそれぞれのキャラクターに拠ったものになっているのも好き。スキルを見るだけでその人がどんな人かなんとなく見えてくるのいいよね。

道中の敵は何も考えずに倒せるけど、ボス戦は技とか装備とか見直して、ちょっと頭使って戦略を練ったりするのがとても楽しかったです。RPGの良いところ前面に出ていました。

あとね、タッチ(TAG、リーダーチェンジ)ね。これも天才です。こういうキャラクター交代があるのまあ手間っちゃ手間なんですが、あの写真が毎回挟まることでストレスを感じさせないんですよね……天才だ…… ヒロ→ケルの交代の写真がかわいくて好き。

 

 

【物語の真相について】

一言で感想を言うならば、作者は人の心を分かりすぎている!!!!

よく非道な展開がある作品には「作者は人の心がない」とか言いますよね。OMORIに関しては逆で、人の心をわかっているからこそ人の心をぐちゃぐちゃにするゲームが作れるんだろうなと思いました。もちろんこれは褒め言葉です。

 

途中から「あ〜マリの死についてサニーがなんか関わってるんだろうなあ〜…」とはいろいろな描写からなんとなく気づいていましたが、一番最悪な形で関わっていることを知り、本当にショックでした。つらすぎる。バジルなんであんな提案をしてしまったんだろうとか、サニーはなんで乗っちゃったんだろうとか、いろいろあるけど、でも12歳か〜…なくはないな〜と思ったり。メチャクチャつらかったです。私は何もしていないのに、私が何かしてしまったような罪悪感で死にたくなりました。これ本当に精神不安定な時にやったらやばいかもしれないな。注意書きは守ろう。

 

そして通常ルートの終盤、私はずっと泣いていました。私は映画やゲームのキャラクターの感情に引っ張られやすくて涙もろい自覚はあるのですが、OMORIに関してはなんで自分が泣いているのか自分でもわからなかったです。自分の感情がよくわからないところに置いていかれたような、どういう気持ちで見届ければ良いかわからないというか。

困惑や動揺、悲しみ、サニーへの同情、そして嫌悪。罪と向き合うことへの苦痛。それでも向き合おうと足掻くサニーへの激励。また、自分の青春時代へのノルタルジー、サニーほどではないにせよ自分も誰にも言えず抱えている問題や罪悪感を指摘されたような焦り、そういうものを一気に刺激されマジでわけのわからない気持ちでした。

20半ばにしてこんなわけのわからない気持ちで夜中に号泣することになるなんて思ってなかったよ~~~~

 

個人的な意見としては、12歳くらいのときにあんなことをしてしまって、その罪と向き合うのマジで荷が重すぎる~〜〜〜って思った。だからバッドエンドはメチャクチャ納得した。私ならバジルも見捨てて身投げします(最悪)

なんであんなことしたのか、まずそこが意味わからないと思う人もきっといると思うけど、人間ってマジで動揺すると破滅すると分かっていたとしてもわけわかんないことするからありえなくはない。ましてや提案自体はバジルがしたみたいだし。事故とは言え姉を殺してしまって呆然としてる中、親友が「隠蔽しよう!」って言い出したら同調しちゃうかも……

 

そりゃ脳内に架空の世界を作って楽しい思い出のまま時間を止めて現実逃避もするし、肉体と精神が乖離もするよな。

 

たぶん事故当時に素直に「マリと喧嘩しちゃって手を振り払ったらマリが階段から落ちちゃった」って言えば誰もサニーを責めることはなかったと思う。ケルやバジルはそばにいてくれただろうし、ヒロもオーブリーも交流がなくなったりしても、サニーを直接は責めたりしなかったと思う。事故なわけだし、サニーも辛いことは彼らもわかっているはずだから。

なんでそう言えなかったのかな~ってずっと考えてしまう。いやそしたらこのゲームはなかったわけだけど。ていうか階段上で喧嘩すな!!!!!!!!!(正論)

 

あと、多分ご両親は真相に気づいていたんじゃないでしょうか。現実的な話をすれば転落死と縊死じゃ全然違うから、救急車を呼んだり病院に連れて行けば絶対わかるはずだし

必要なブラックキーを全部集めたときに穴に入ると奥で木を切り落とそうとする人物(父親?)が「お前のような息子はいない」って言うけど、あれが父親だとすれば両親は真実を知っていて、母親は事実を隠してサニーを守ることにした。父親はそんな母と息子を見限って別れた?とかなのかなあ。そうすれば母親の「息子のあなたまで失うわけにはいかない」発言とか、家に1人にするくせに過剰なくらいの「愛してるよ」とかも納得いくというか

結果としてよりサニーは自責の念でより苦しむことになるわけだけど……

 

でも、だからこそ、グッドエンドでの己の罪悪感に押しつぶされず、罪と向き合い、友人に告白することを選んだサニーは本当に偉い。いままで逃げていた弱い自分からの脱却。現実逃避であるオモリとの決別。それは並大抵の精神じゃできないことだし彼のその後の人生が幸せであってほしいとも思う。

 

個人的にはエンディングのその後が描かれないのもかなり好きです。サニーが罪を告白すると口を開いてそこで終わるのは良い終わり方だと思いました。

私はかなりサニーに寄り添っているけど、真相を知ってサニー自体が無理!嫌い!って人も多少いるだろうし。時間はかかるけど彼らならいつか許しあえる!と信じられる人もいれば、いや絶対あの後もう修復不可だろと思うか、それは本当に人それぞれだと思うし、正解はないでしょう。

私は修復不可なんじゃねえかなあ(特にヒロは…)と思うんだけど、仮にもしそうだとしても、彼らがかつて友人だった事実は失われないんだからこの先も大丈夫だと思う派です。

あの後、サニーは友人たちに失望され嫌われるかもしれない。ヒロやオーブリーは今までよりももっと苦しみ、一生許してくれないかもしれない。ケルですら距離を置くかもしれない。でも、それでも家に引きこもって現実逃避してずーっと全員で苦しみを背負い続けるよりは明るい未来があるはずだ…特にバジルにとっては……

 

 

【最後に】

本当に忘れられないゲーム体験になりました。楽しさも苦しみも含めて最高だった…本当に遊んで良かったと思います。

自分で遊んで、そのあとに個人的に見て良かった実況動画を貼ります。

 

youtu.be

 

ナポリには正直そんなに詳しくなくて(ファンの方見てたらすみません)蘭たんさんとすぎるさんの実況をたま〜に見るくらいの距離感なのですが、すぎるさんの素直なプレイ時のリアクションと、ストーリーへの理解、実況時の雰囲気、抱いた感想が好きだな〜と思いました。あとすぎるさんとハッチさんの応酬も面白くて良かったです。

私がクリアしたとき友人フォロワー含め誰もプレイ済みの知り合いがいなくて、感想を共有できずに苦しんだので、2人の実況を見て一方的に共感できて救われました。なので感謝の意を込めて貼ります。

 

一旦おわり(このあとまた思いついたら追記していきます)